JSPS Core-to-Core Symposium on One Health Approaches to Chemical Risk Management 2026を開催しました

2026.10.14

沿岸環境科学研究センター(CMES)は「JSPS Core-to-Core Symposium on One Health Approaches to Chemical Risk Management in Ehime 2026」を10月6日と10月7日に開催しました。

本シンポジウムでは、医療、農業、水産養殖、畜産業など、南・東南アジアにおける幅広い分野で使用される化学物質が、人間の健康・環境・生態系に与える影響を総合的に評価し、持続可能な発展へとつなげるための最新研究が共有されました。南・東南アジア5か国から約50名の研究者を招待し、各国が抱える課題とその対応策について活発な意見交換が行われ、国際的な研究ネットワークを深める貴重な機会となりました。

今回の二日間にわたるシンポジウムには約140名が参加し、24題の口頭発表と67題のポスター発表が実施されました。基調講演では、愛媛大学のAsela Marisol Buenfil-Rojas博士より、メキシコ南部に生息するワニを対象とした、非致死的な試料採取による環境汚染の影響評価に関する研究について講演がありました。講演では、学術論文では触れる機会の少ない、実際のフィールドワークの様子を収めた動画も紹介され、研究の背景や現地調査の実際を知る貴重な機会となりました。このほか、基礎研究の社会実装に向けた取り組みや関連企業による発表も行われるなど、例年に比べて発表内容がより多岐にわたり、シンポジウム全体を通して幅広い研究成果や取り組みが紹介されました。

学生・若手研究者を中心としたポスターセッションでは、PFASやマイクロプラスチックによる環境汚染、薬剤耐性菌の動態、海洋環境の変動、化学物質の毒性評価や除去技術など、多岐にわたる研究成果が発表されました。特に、南・東南アジア各国の水環境や生態系における汚染実態とその対策に関する研究が数多く紹介され、地域ごとの環境課題を共有する場となりました。また、異なる研究分野や国・地域の研究者間で意見交換が行われ、今後の国際共同研究につながる交流の場となりました。

3年間にわたるJSPS研究拠点形成事業は本年度をもって終了し、今回のシンポジウムが一つの節目となりました。本事業を通じて築かれた研究者間のつながりが、今後さらなる共同研究へと発展することが期待されます。一方で、CMESと各国の研究機関との共同研究は今後も継続していく予定です。今後もさまざまな形でシンポジウムなどの議論・交流の場を設け、これまでに構築してきた国際的・学際的な研究ネットワークをさらに発展させるとともに、南・東南アジアにおける持続可能な社会の実現に引き続き貢献していきます。