JSPS Core-to-Core Symposium on One Health Approaches to Chemical Risk Management 2025を開催しました

2025.12.02

沿岸環境科学研究センター(CMES)は「JSPS Core-to-Core Symposium on One Health Approaches to Chemical Risk Management in Ehime 2025」を11月18日と11月19日に開催しました。

本シンポジウムでは、医療、農業、水産養殖、畜産業など、南・東南アジアにおける幅広い分野で使用される化学物質が、人間の健康・環境・生態系に与える影響を総合的に評価し、持続可能な発展へとつなげるための最新研究が共有されました。南・東南アジア5か国から約40名の研究者を招待し、各国が抱える課題とその対応策について活発な意見交換が行われ、国際的な研究ネットワークを深める貴重な機会となりました。

今回の二日間にわたるシンポジウムには約120名が参加し、20題の口頭発表と50題のポスター発表が実施されました。基調講演では、フィリピン・デ・ラサール大学のJose Isagani B. Janairo先生より、分子の複雑さに基づく化学物質の活性予測に関する先端的で示唆に富むご講演をいただき、参加者の大きな関心を集めました。

学生・若手研究者が中心となったポスターセッションでは、感染症、環境汚染、海洋生態、化学物質のリスク評価、遺伝子解析技術の開発など、多岐にわたるテーマに関する多くの研究発表が行われました。

南・東南アジアの研究機関の研究者からは、各国の環境問題・公衆衛生課題に根ざした研究が持ち寄られ、会場では専門領域を越えた活発な議論が展開されました。若手研究者同士が分析手法や現場での課題について意見交換を行う姿も多く見られ、国際的ネットワーク形成に向けた重要な交流の場となりました。

今回のシンポジウムでは、化学物質が生態系や健康に与える影響に関する研究を中心に、学際的かつ国際的な視点から多角的な議論を深めることができました。本シンポジウムは、今後の国際共同研究の推進や研究ネットワークの強化に向けた重要な一歩となりました。

来年のJSPS Core-to-Coreシンポジウムの開催地は未定ですが、今回のような議論と交流の場を継続的に設けることで、国際的・学際的ネットワークをさらに強固なものとし、南・東南アジアにおける持続可能な社会の実現に引き続き貢献していきます。